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”泡”見て、慌ててメモを取る。~PR-1開発経緯

2020/02/21

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”泡”見て、慌ててメモを取る。~PR-1開発経緯

「ナノ材料を安全かつ、再現性よく分散したい」そんな声から生まれた自転・超音波ナノ分散機「分散ナノ太郎」PR-1。
2017年2月の発売以降、ナノ材料を扱う研究者の方にも徐々にご使用いただくようになり、2019年には東京都主催世界発信コンペティションにおいて優秀賞を受賞するなど、あわとり練太郎に負けじと頭角を現している装置の一つです。

今回は、分散ナノ太郎が開発された経緯について、お話しさせていただきます。

きっかけはボストン

2007年にアメリカのボストンで開催されたナノテク展へ、シンキーが初めて出展した時の話です。来場者のお一人が、「この場で練太郎を使って分散して欲しい」とテスト材料をお持ちになりました。材料は当時まだ珍しかったCNTで、私も初めて目にするものでした。しかしその時は全く歯が立たず、残念ながらデモは失敗に終わりました。

ボストンの街並み
※ボストンの街並み(写真はイメージです)

日本へ戻り、何か良い方法は無いか模索していると、とある大学の教授が「練太郎に、ある方法を組み合わせると、ナノ粉体がうまく分散ができるよ。共同研究しませんか?」と声をかけてくださいました。CNTはファイバーのため粉体とは違うものの、「ナノ分散」と聞き、迷うこと無くその話に乗りました。

詳細は省きますが、研究は、容器の中にある部品をセットして練太郎を運転し、凝集していた粉体をナノサイズに分散するというものでした。問題は部品の取り付け方法で、これがなかなか難しく、耐久性にも課題が残りました。結果的に製品化することができず、論文発表のみの研究となりました。

ただその際、通常は使用出来ない大学内のスーパーコンピューターで算出した値や、材料が分散する時にかかる応力値を教授から頂くことができました。そのデータを元に、どのくらい練太郎をスペックアップさせる必要があるかを検討すると、10倍の回転速度が必要となることが判明しました。そこまで回転が足りなかったのであれば、紛体であれファイバーであれ、上手くいくわけが無いですね。これは練太郎で実現するには無理があると分かり、再び調査の日々を送りました。それから半年か、1年経った2010年頃でしょうか。知人から、超音波が良いのではないか?と提案され調べてみたところ、元の応力値を上回ることが分かったのです。

超音波バス
※超音波バス(写真はイメージです)

早速、超音波機器を購入し試しました。多くの方が経験されているように、一般的なホーンタイプでは分散はできますがCNTが破断しました。バス方式では破断はしないものの、均一に分散ができませんでした。練太郎で材料対流による均一化は既に実現していたので、容器を回転させる機構は始めから取り入れようと考えていました。しかし、それ(回転)だけでは「破断なく均一に分散させる」という課題は解決せず、超音波の当て方を工夫できないか?と考えるようになりました。

色々な超音波メーカーに相談しましたが、決定打は見つかりませんでした。徐々にあきらめムードが出てきた2011年のある日、もやもやしていた気分をリフレッシュしようと思い立ち、近所の銭湯に行きました。その日は、たまたま一番風呂で、浴槽の壁面には沢山の泡が付いていました。普段、注意を払って見ることはないのですが、段々とこの泡が「超音波で発生する泡」に見えてきたのです。

風呂過飽和気泡
※このお風呂の壁の泡が、PR-1を生んだとは!

そこで「超音波を壁面、横から照射させたらどうだろう?」と思うに至りました。慌てて風呂場から出て、メモしたのをよく覚えています。その後、試作機で分散を確認したところ、今までにない好結果が出たのです。これがPR-1のデュアルソニック方式のアイディアとなりました。

最初の失敗の経験から、一番風呂の泡に出会うまで7~8年は要したと思います。とにかくこの間上手くいかないことの連続で、色々な方からアドバイスを頂きながら試行錯誤しました。本開発に限って言えば、技術的な才能云々というより、忍耐力が鍵だったのでしょう。CNT分散への取り組みからスタートしたPR-1は、今ではいろいろな方に利用していただき、用途も増えているようです。役立っているという声を聞くと、製品化してよかったと感慨深く思います。

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